先日、一級建築士事務所アトリエ橙(だいだい)代表 奥山裕生さんの「整理収納アドバイザーのための間取り講座」に参加しました。
「間取りを読み、描いてみることで、整理収納への理解をより深める」という趣旨の講座です。
「片付け苦手さんが頑張らなくても片付く家、いつまでもきれいが続く家」を建てるお手伝いをしたいと考えている私にとっては、整理収納への理解が深い現役の住宅設計士さんから間取りについて学べるなんて、願ってもない機会です。
第1回目は、先日見学させていただいた奥山さんのご自宅の間取り図を例に、間取り図の読み方を学びました。
小さく暮らす
私が「整理収納の知識と経験から家づくりに携わりたい」と考え始めてからずっと思っていたこと、
「片付ける」とはどういうことなのかを施主様に理解してもらい、片付けが苦手でも無駄に収納を大きく作って欲しくない。
収納を大きく作りすぎることで、「くつろぎの空間が減る」「建築面積が増えて費用の負担が増える」では本末転倒だと思う。
ということについて、奥山さんのご意見を伺ってみました。
「私も『家は小さく』を勧める派です。お仕事をする時は、施主様や工務店さんにぶつけてみてはどうでしょうか」
と言われたのを聞いて、背中を押された気持ちになりました。
大きな収納が、理想の暮らしを叶えてはくれない
ウォークインクローゼットが欲しい
大収納付きのランドリールームが欲しい
玄関には大きな土間収納が欲しい
・・・
それらの収納は、
「毎日のおしゃれが楽しくなるようなクローゼットにしたい」
「家族でアウトドアを楽しみたい」
などの「理想の暮らし」を叶えるための「手段」に過ぎません。
「片付け苦手でもスッキリ暮らしたい」
「共働きで忙しいので少しでも家事がラクになるしくみを作りたい」
などの「不便」を解消するための手段
なのです。
家が欲しいだけでなく、
欲しい家具やカーテンがある
家族で旅行やレジャーも楽しみたい
子供にいい教育を受けさせたい
おしゃれや友達付き合いも楽しみたい
美味しいご飯も食べたい
・・・
他にも、ウィッシュリストはいろいろあるはず。
適材適所の収納を確保するのは必要なことですが、
「収納をたくさん/大きく」にとらわれて間取りを作った結果、
ギリギリのローン計画になっては豊かな暮らしは送れないと思うのです。
こだわるところと割り切るところを決める。
10年後、20年後の暮らしを見据えても必要かどうか考える。
大きな収納は、パッと見スッキリなお家を演出できるかもしれませんが、
不要な物を真剣に選別せずに「とりあえず入れられる」収納があっても、
トランクルームが自宅にあるか、外にあるかだけの違いです。
モノとの付き合い方を見直す
使わないものをしまい込むのが収納ではありません。
収納は、自分たちの暮らしに必要なものを、いつでも使えるように、そばに置いておくことができる場所なのです。
マイホーム購入以外にも、やりたいこと、叶えたい暮らしがあるのなら、
片付け苦手な人もそうでない人も、モノとの付き合い方を見直してみましょう。
そうすれば、モノの量に振り回されて大きな収納を作らなくても、
私たちが心地よい暮らしを送るために必要なものを必要な場所にしまっておける大きささえあれば大丈夫です。
小さく暮らすメリット
収納や建築費用の面だけでなく、小さく暮らすメリットは
・税金、光熱費、修繕費のコストカット
・掃除がラク
・使いたい物にすぐたどり着ける
・庭や駐車スペースが広くとれる
・住宅密集地においては採光や通風が良くなる
などがあります。
片付けが苦手なせいで、モノが多いせいで、「家や収納を大きくしなければならない」と思い込んでいる方は、一度ご相談ください。
何をどのように減らしていけばいいのか
「捨てられない」から解放される方法
を一緒に考えて行きます。