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【整理収納の視点から見る家作り】設計士さんのお家を見学させていただきました!

2020年12月8日

昨日は、一級建築士事務所アトリエ橙(だいだい)の代表 奥山裕生さんの
「整理収納の視点から見る家作り 住宅見学会」に参加して、奥山さんのご自宅を見学させていただきました。

奥山さんは、20年前お子さんの保育園の空きがなく、育休期間が終了した奥様に変わって、仕事を辞め専業主夫をされたご経験があるのだそうです。

 

その時のご経験と、とことんお客様と対話をされるという姿勢で住宅設計に取り組まれ、約80軒のお家を手掛けておられます。

 

間取り作成にかける打ち合わせ期間は短くて半年、長いと1年以上かけている方もいるのだとか。

 

「打ち合わせは多ければ多いほどいい」なんて言ってくださる設計士さんなんて神!ですよね。

 

 

1年ほど前に整理収納アドバイザー2級と住宅収納スペシャリストの講座を受講され、「自分のやってきた家作りは整理収納そのものだ」と感じたそうです。

 

今回は整理収納アドバイザー向けの住宅見学会ということで、「整理収納の視点から見る家づくり」というテーマでご案内してくださいました。

 

 

私を含めて4名のアドバイザーが参加していたのですが、扉を開けるたび、解説してくださるたびに、「わ~!すごくいい!使いやすい!!」と歓声が上がりました(笑)

 

奥山さんのご自宅は、敷地面積24坪、延べ床面積は78㎡。

 

いわゆる狭小住宅ですが、狭小でも快適で使いやすいお家を建てるポイントとしてお聞きしたことや私の感じたことを、私の備忘録としても!書いておきたいと思います。

 

こだわる部分と割り切る部分を明確にする

全てお客様の要望通りにすることが良い家ではなく、こだわる部分と割り切って諦める部分を明確にすることがとても大切だとおっしゃっていました。

 

現在のライフスタイルはもちろん、物心ついた時からどんな家に住んできたのか、その時感じたことなどなど、じっくりとヒアリングし、「間取りに合わせた暮らし」ではなく「暮らしに合わせた間取り」を提案していくのだそうです。

 

その中にお客様さえも気づいていない潜在的な要望があることも多い、とのこと。

 

奥山さん宅の場合は、狭小であること、子育てもある程度手が離れた年齢での家作りだったことなどから、「家族一人一人のプライバシーを確保した上で居心地の良い家を」というのが大きなテーマとしてあったそうです。

 

ソファやダイニングテーブルは採用せず、サンクンリビングやカウンターテーブルに。そのサイズ感にも、私たちには目から鱗の工夫が盛り込まれていました。

 

カウンターではちょっとした作業もできるよう、近くにはしっかりと収納も確保されています。

食事&ワークスペースのカウンターと、サンクン(沈み込み)リビング。リビングにいる人の頭が邪魔にならない高さ設計。テレビ右上の扉の中はエアコンが取り付けられている

 

ロフトはテレビに向かって開口部を作ることで、空気の流れが生まれるので熱がこもりにくく、個室感覚で使える。ここで映画を観たりするのだとか。

 

奥山さんの寝室。個室は全員3.75帖ずつ。狭くても十分なサイズのベッド・机・本棚・WICがあり、狭さくてもむしろ「お籠り感」が素敵。

 

一時的な家事動線を設計の中に

主夫経験のある奥山さんだからこそ!と特に感じたのが、細かい家事シーンを想像した設計でした。

 

主婦の嫌いな家事にランクインしそうなアイロンがけも、アイロンとアイロン台がすぐに使える状態で収納できる空間が!

これには思わず「キャ~!」と声を上げてしまいました(笑)

アイロンとアイロン台をセットしたまま収納できる空間。アイロン台をリビング側に出せばテレビを見ながらアイロンがけができる。

 

脱衣洗面所は、洗濯物を干すときの一時掛けに使える棚やホスクリーンがあり、洗濯後すぐその場で洗濯物を干して、扉の向こうのベランダや隣の浴室に干しに行くことができるのです。

奥山さん。洗濯物をハンガーにセットした後の、一時掛けにもなる上の棚。細かな家事動作にも気配りができる男性!

またこの脱衣洗面所は、玄関からキッチンまでの最短動線でもあり、廊下~リビング~キッチン~脱衣洗面所の回遊動線としても使われています。

 

廊下~リビング~キッチンには段差もあるため、このフラットかつキッチンまでの最短距離を作る動線には脱帽でした!

 

既製品のサイズに合わせた造作収納

ダイニングカウンター(兼ワークスペース)の背後にある造作収納は、可動棚でなく、固定の棚。

「あらかじめリビングやダイニングに出しっぱなしになりがちなものを書き出しておいて、それが入る既製品の収納のサイズと数が分かっていれば、可動である必要はないんですよね。固定の方が強度もあります。」

 

作れるところに収納を作るのでなく、しまう物を決めて収納のサイズを決めると、入らないとか無駄な奥行きが発生するということもありません。

 

まさにまさにシンデレラフィット!ため息がこぼれてしまいます♡

リビング収納。始めから収納したいものを決めていれば、ちょうどいいサイズの収納を造作できる。

 

収納は床面積より壁面積が大事

収納率」(住宅の床面積に占める収納面積の比率)という考え方がありますが、「実は収納は床面積より壁面積が大事」と奥山さんがおっしゃっていたのをすかさずメモしました!

 

厳密に定義されているものではないので、数え方によっては、ウォークインクローゼットやパントリーなどは立っている場所も収納面積にカウントることもあります。

 

「収納率12%あるから収納はたっぷり取れた!」と思ってもそれは平面図上のことで、

「実は半分が通路だった」

「階段下収納だから、実際は収納面積の半分以下」

ということもあるので、収納率はあくまで目安。

 

どれだけの壁を取れるかで収納の大きさは決まってきます。

 

奥山さん曰く、南以外は大きい窓は不要だそうです。(あ~、ここもうちょっと詳しく聞けばよかった!)

 

収納な場所に必要な壁面を確保してから、窓のサイズを決めると良いんだなと大きな発見でした。

 

感動の照明計画

お家の使いやすさもさることながら、照明計画が素晴らしすぎて!照明計画がとにかく温かみがあってオシャレなんです。

 

天井につけて下向きに照らすシーリングライト(?照明のことは全然わかりません)が一つもなく、サンクンリビングの座面下から出ていたり、白い壁を照らしていたり、普通ここ収納にしたくなっちゃうよね~なところに照明がついていたり…

 

様々な設置方法の照明が、とても空間を豊かにしていると感じました。

 

本当に素敵なんです!照明の勉強会もしてほしいです!!

 

と、興奮冷めやらぬ状態で書いたので非常に長くなりましたが、これから家を建てる方の役に立つお家見学レポになったと思います。(自画自賛)

 

奥山さん、この度は参加させていただき、とても勉強になりました。

 

今回教えていただいたことを、お片付けが苦手・収納にこだわりたいマイホーム計画中の方へお伝えしていきたいと思います。

 

本当にありがとうございました!

 

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  • この記事を書いた人

新井友紀子

整理収納アドバイザー/住宅収納スペシャリスト。 間取りとお客様のライフスタイルから、ラク家事・ラク片付けにコミットする収納提案をする「間取りから片付く仕組みを作る」メソッドが好評を得ている。 クライアントの自宅へ訪問する「片付けサポート」のほかに、新居の収納プランニングやオンラインでの間取り収納相談なども行っており、サポート・相談実績は400件を超える。

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