≪ブログ≫ ◆片付サポート実例 ◇間取りや収納の考え方

【収納相談事例】背が低い人の使いやすい収納・使いにくい収納

2020年11月30日

オンラインで間取り収納相談(片付け相談)のご依頼をくださったK様ご夫婦。

「新居に引っ越して1年ほど経つが、育休復帰してからというもの衣類や書類の片付けが追い付かなくなり、間取りや動線の観点も含め収納のアドバイスが欲しい」とのことでご依頼をいただきました。

また、事前ヒアリングで奥様の身長が140㎝台ということが分かり、手の届く範囲が小さいということも衣類の片付けを難しくさせている要因だと感じたため、その点もじっくりお話をお聞きしました

 

■背が低い人は引き出し収納に要注意

まずはK様が特にお困りの衣類や書類(特に帰宅時の郵便物など)について、

・干す→乾かす→取り込む→畳む→しまう

・郵便物をもって家に入る→子供の世話をする→いらない郵便物を仕分けて運ぶ

の流れや場所(動線)を確認させていただきましたが、大きな場所の変更は必要ないと感じました。

 

次に、実際にどんな収納用品を使っているのかお写真を見せていただいたら、衣類や書類の収納に「引き出し式ケース(衣装ケース)」が多数見られました。

 

手の届く高さや目線の高さ、収納しやすい高さは下の図のようになります。

仮に身長が145㎝だった場合、引き出しの高さの限界は130㎝までということになります。

奥行きの深い衣装ケースなどは、もっと低くないと出し入れは難しいでしょう。

身長が低い人は、引き出しの高さに気をつけないと「ほとんど使えずに適当にモノを入れてしまう」「何が入っているか忘れてしまう」ということになりかねないので注意が必要です

■引き出しの段数を減らし、ボックス収納も組み合わせる

K様のパジャマ収納は、押し入れの中段に4段の衣装ケースを置いていました。

一番上はもちろん旦那様の場所ですが、そこに奥様が衣類をしまう時、「衣装ケースの前にとりあえず置く」か「頑張って投げ入れる」しかありません。

「とりあえず置き」をしてしまうと、今度はお子様のパジャマを取り出すときに邪魔になってしまいます。

これはやはり不便なので、引き出しは2段までとし、最上段はボックスに収納することをお勧めしました。

ボックスなら下ろして収納したり中身を確認することも可能です。

押し入れの扉を開けた時の幅を採寸してもらい、2個横に並べても引き出しがしっかり出せる横幅の衣装ケース(Fitsケース幅39㎝タイプ)をその場でご提案しました。

衣装ケースの上2段は届かないのできちんとしまうことができない

 

■引き出し収納は書類収納には不向き

また書類や日用品のストックなどを収納しているパントリーも、手が届かないため上半分がほとんど活用されていないことと、大事な書類を引き出し式ケースにひとまとめに入れていることが気になりました。

「大事な書類が入っている」という認識があるので「探せば見つかる」のですが、引き出しに書類を入れてしまうとどんどん積み重なって探しにくくなってしまいます。探す時間ももったいないですよね。

書類を入れている引き出しは別の場所で使っていただくことにして、未処理の書類はあえて目につく書類トレーなどに入れ、必要な書類書類はしっかり分類してた後に【立てて収納】することをお勧めしました。

 

■引き出し収納は胸より下の高さ

また出し入れしやすいパントリー下の部分は、ふた付き収納を重ねており「前の家で使っていた収納が入ったので置いたけど、大したものが入っていない」とのこと。

ふた付き収納で積み重ねてしまうと、下の収納は開けるのにひと手間ふた手間かかってしまい、ほとんど開けなくなってしまいます。

胸より下の高さについては引き出し収納が使いやすいので、パジャマ収納で余った引き出し式衣装ケースをこちらへ移動し、普段使う日用品ストックやお薬の収納などに活用していただくことをご提案しました。

 

■持ち手付きストッカーや踏み台で高さに対応

また上半分については、持ち手付きのストッカーを使うことで今より1段上まで普段使いにしていただけるように。

さらにお子さんに触られて困るものなどがなければ、踏み台を常に置いておくことでさらに1段上も届くかもしれません。

今はお引っ越しして間もないし、お子さんも小さいため、モノは少なめでしたが、今後増えた時はそのような工夫で高さに対応していただければよいと思います。

 

未処理の書類は引き出しにしまい込まず、あえて目につくように。 書類は立てて収納し、踏み台や持ち手付きストッカーを活用。

 

今回はご主人様からのご依頼でした。

オンラインでのご相談はご夫婦で参加してくださる方も多いです。(最近はリモートワークもあってか、訪問でも旦那さんが協力してくださるケースも増えてきました)

家の片付けや家事は奥様だけの問題ではなく、家族みんなの暮らしやすさに関わることなので、夫婦で一緒に問題解決しようという方がいらっしゃってとても嬉しく思います。

旦那さんも協力してくれているけど、それでも片付けや家事がうまく回らなくて困っているという方は、3人で話し合ってよりよいアイデアを見つけていきましょう!

 

K様と衣類収納についてお話しした中で、「ハンガーにかける収納が向いているかどうか」「ハンガーの選び方」なども良し悪しがあるなと感じた話もあったので、そちらはまた後日書きたいと思います。

 

書類整理については、こちらの記事で書いています。

書類整理は分類が命!家族の書類はどこに収納する?

書類整理は使用頻度とカテゴリー分類がコツ!見やすく管理できるアイテムを紹介!

 

オンラインでの片付け相談、間取りや収納に関する相談はこちらをご覧ください。



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  • この記事を書いた人

新井友紀子

整理収納アドバイザー/住宅収納スペシャリスト。 間取りとお客様のライフスタイルから、ラク家事・ラク片付けにコミットする収納提案をする「間取りから片付く仕組みを作る」メソッドが好評を得ている。 クライアントの自宅へ訪問する「片付けサポート」のほかに、新居の収納プランニングやオンラインでの間取り収納相談なども行っており、サポート・相談実績は400件を超える。

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